美人の世界(最終回)
顔をどんなにいじくり回しても、
戦略装置として機能させなければ美人になれない。
では、戦略とは何なのか。
これが知りたいところでしょうね。
ズバリ! 顔で夢と力を与える。
この戦略に沿って、
装置としての顔を機能させることで、
あなたは美人になる。
美人に出会うと、
心のうちに眠っていた新鮮な感覚、
生きる活力がみなぎり、
明日への夢が膨らんでいく。
美人の価値はこのことにあったのです。
だからみんな美人を欲しがる。
私たちの明日は常に変化していく。
私たちの夢も変わっていく。
しかし、何を求めているのか、
自分ではよく分からない。
戦略=明日への夢を与える装置として、
顔を機能させるために化粧をし、
表情をつくり、会話を通して働きかけたとき、
相手は自分の求める世界に出会うことができる。
何の戦略も持たないでも美人はいるでしょう。
明日への夢がたまたまそろった女だ。
現在に当てはめて考えると、
社会に漂う閉塞感を打ち破り、
慣習に捉われない挑戦的な個性、
今日の不安を乗り越えて、
明日への生きる力を生み出す。
こう感じさせる顔をした女性である。
しかし、戦略を知らなければ、
やがて時の移ろいに取り残されて、
美人の範疇から姿を消していく。
人々の変化を先取りし、
装置としての顔を機能させて、
明日への夢を与える。
その顔を組み立て続けられたなら、
あなたはいつまでも美人でいられる。
美人は見られるものではない。
美人は与えるものだからである。
男たちに明日を夢見させることである。
(最後の最後)
このシリーズで、
敢えて顔を「装置」と表現したのは、
”美人は顔”という呪縛から、
あなたを解き放ちたかったからである。
(蛇足)
左右対称で均整が取れているからとか、
目がくりっとしているからとか、
おでこが広いからとか、
たらこ唇だからとか、
そんなものは単なる部品の話であって、
美人の<次元>の話ではない。
美人要素である部品が戦略をもって組み立てられたとき、
顔が装置として働いて美人を作るのである。
まだ分らない人は次のことを想像されると良い。
ここに見事な美人が居たとしよう。
彼女は大あくびをしたかと思うと、
人目をはばからずに鼻くそをほじくり、
大きな音で痰を吐き捨て、
傍のどんぶりで茶を飲んでいる。
あなたは言うだろう。
美人はそんなことはしないと。
だから、あなたは分っている!
美人はあなたの夢を決して摘まない、と。
美人を決めるのは顔ではない。
その顔をとおしてあなたの気持ちが決めるのだ。