2008年12月31日水曜日

〔ラポールコミュニケーション・スキルアップ教室〕(6)話すスキル2

◇話すスキル2

今日でラポールコミュニケーションスキルが終了します。
2008年中に間に合いました。

さて、これまでコミュニケーションにおいては、
“うなずき”、“あいづち”、“復唱”、“理解”は、
「聴く(傾聴)行為」とされてきたように思います。

ラポールコミュニケーションでは、
これらを「話す行為」として説明しました。

『ラポールコミュニケーション』について、
小原義雄先生(ラポールコミュニケーションセンター講師)は、
を次のように説明しています。

・・・ 『ラポール』=『親しく和やかな雰囲気=気持ちの通い合い
を基礎にした信頼関係』のあるコミュニケーションのことです。
これは全ての人間関係の基礎になる人間らしい感情が交流すること
を最も重要と考えるコミュニケーションです。 ・・・

『気持ちの通い合い』、『信頼関係』、『人間らしい感情が交流』
が顕著に現れるのは、
話す人と聞く人は対等、
話す行為と聞く行為が同等、
このときではないかと思います。

コミュニケーションをよく観察すると、
「聞く行為」も「話す行為」と同じだったのです。
話題が「話し手」のことだっただけですね。

では、話す行為はどうなのでしょう。
実は、「話す行為」も「聞く行為」と同じなのです。
話題が「話し手」、つまりあなたのことであるだけなのですよ。

“うなずき”、“あいづち”、“復唱”、“理解”のスキルは、
話し手の気持ち(或いは感情)に焦点を合わせて、
あなたの気持ちを話す(返す)ことでしたね。

ラポールコミュニケーションで“話す”というのは、
あなたの気持ちを「聞いてもらう」ことなのです。
これは聞いてくれる人がいてできるのです。

自分の話すことを相手がどう思うのか、
相手の“うなずき”、“あいづち”、“復唱”などを聞きながら、
自分の言ったことを常に確認している、
つまり聞いているのです。

あなたが話す名人だったとしても、
聞いてくれるはずの人が、
何の反応も関心も示さなかったら、
話すのをやめますよね。
自分の話を相手がどう思っているのか、
それを聞くことができないから話せないのです。

すなわち、コミュニケーションにおいては、
話す行為は聞く行為だからなのです。

例えば、子どもが門限までに帰ってこなかったとき、
「親との約束違反じゃないか」とか、
「早く帰らないと犯罪に巻き込まれるぞ」、
或いは「校則でも夜遊びは禁止されているだろう」などは、
あなたの気持ちを一般論や道徳規範に変えて、
一方的に話しているだけです。
子どもの気持ちが聞けないから、
そこにはコミュニケーションが成立していません。
これでは、あなたの気持ちは届きませんよね。

「遅かったので、心配してたんだよ」
あなたの気持ちを表す一言だけでいいのです。
そのとき、子どもはどんな表情をして、何を言うのでしょうか。
あなたはそれを聞きたいのでしょう。

子どもの気持ちをしっかりと聞きながら話すとき、
あなたの気持ちが子どもにとどき、
『気持ちの通い合い』、『信頼関係』が生まれ、
『人間らしい感情が交流』してきます。

こうして、ラポールコミュニケーションが生まれるのです。

そのとき、子どもの態度、表情、言葉(返事)を聞きながら
あなたは自分の気持ちを話していることと思います。
コミュニケーションができるように、
子どもの言うことを聞いているのですね。
それに合わせながら話していたのです。

ラポールコミュニケーションの話すスキルは、
あなたの気持ちを話すことで、
相手の気持ちを聞くことなのです。
そのときの「話題」があなたのことだけなのです。

あなたは話を聞いてもらうために、
相手の“うなずき”、“あいづち”などを聞き、
それに合わせて話をしていたのです。
そうです、話す行為は聞く行為だったのですね。

昼下がりの喫茶店、
ご主人が会社で絞られているころ、
奥様方は“おしゃべり”の華を咲かせていますよ。
喋ったり喋られたり、
聞いたり聞かされたり。

この場面でも、
話す人と聞く人は対等であり、
話す行為と聞く行為は同等のとき、
ラポールコミュニケーションが生まれており、
とっても幸せそうな表情をしています。

今年も後少しになりました。
4月から細々とラポールコミュニケーション理論を述べてきました。

来年は、ラポールコミュニケーションスキル
を具体的な事例に応用してみます。
また、他のコミュニケーション理論の吟味もしてみたい
と思っています。

では、みなさん、よいお年を!

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