2012年1月16日月曜日

気持ちがわかるとは? 虚偽と真実



昨日、大阪へキャリアコンサルタント養成講座の実技指導に行きました。


ある受講者が「クライアントに“辛いですね”となかなか言えない」と訴えられます。

クライアントの辛い気持ちに十分共感できていないのに、

「辛いですね」というのに抵抗がある、と訴えられます。


なるほど、非常にまじめな訴えである。


このとき、別の指導員が奇をてらったような発言をしました。

 「本当に共感できないのに“辛いですね”という言葉は嘘である。
 そのときはクライアントに“へそ”を向けて黙れ」

 「本当に共感できたときだけ言葉にするべきである」


なるほど、なるほど・・・、

思考が詭弁に乱されて正しいように感じる。


しかし、何か変だ。


質問者はともかく、他の受講者70人も意外な回答に唖然としている。


実技指導責任者がこの発言にコメントをするであろうから大丈夫ではあるのだが。


私も黙っていたら良かったのかも知れないが、

受講者の誰かがこの発言に同意してしまったら利益にならないと思って発言した。

 「今の指導員の発言は、誰のためのものであるのか」

 「クライアントが辛い気持ちを述べたのに、
 コンサルタントが“へそ”を向けただけで何も言ってくれなかったら、
 無視されたような気持ちになる」

 「クライアントの気持ちに十分共感できていないと思ったときでも、
 『私はあなたの辛いお気持ちを十分汲み取れていないかも知れませんが、
 そのようなご体験はさぞかしお辛かったでしょうね』
 と不十分であっても辛い気持ちに共感しようとしていることを正直に伝えるべきである」


分からないのにわかったふりをするのは嘘になるが、

十分わかってあげられないことを正直に話し、

それでもわかってあげたい気持ちを伝えることは真実ではないのでしょうか。


虚偽と真実、うそとほんと。

コンサルティングに限らず、人間の永遠のテーマですね。


みなさんはどのように考えられますか?


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