2009年1月15日木曜日

〔ラポールコミュニケーション・スキルアップ教室〕蛇足:傾聴 

傾聴 誰とコミュニケーションしているの?

あなたが話すことを相手に傾聴されると、
誰とコミュニケーションしていることになるのでしょうか?

一見、相手とコミュニケーションしているようです。
話をしているあなた自身も相手とコミュニケーションがとれているように感じます。

ですが、そうではないのですよ。

あなたは、相手の傾聴をとおして、
自分自身とコミュニケーションをしているのです。

傾聴の場合、
聴いてくれている人は、
実はあなたの鏡になって、
あなた自身を映しているのです。

悩みを抱えたり、
何かに迷ったりしているとき、
相手に傾聴されることで、
あなたは自分と向き合うことになるのです。
傾聴によって悩みや迷いを自分自身で整理していくのです。

カウンセラーは傾聴をとおして、
クライアントが自分の悩みや迷いを整理する支援をしているわけです。

傾聴は、こころの問題を解決するスキルとして、
さまざまな場面で重要な力を発揮しています。

こうしたことから、次のことが言えるのではないでしょうか。

“コミュニケーションの場面での傾聴”は
話す人にとっては、
傾聴をとおして自分自身とコミュニケーションしているのですから、
相手とはコミュニケーションしていないのです。
つまり、相手と気持ちが通い合いっているわけではないのです。

したがって、コミュニケーションでの傾聴は、
ラポールコミュニケーションを生み出していない、
と思うところです。

例をあげて見ましょう。

体育祭から帰ってきた子どもが息を弾ませて駆け寄ってきました。
 子ども:お母さん! 一番だったよ!

傾聴の答え方です。
 例① そう、一番だったの。
 例② 一番だったので嬉しいのね。

ラポールコミュニケーションの答え方です。
 例③ やったね! 一番! 
 例④ 一番? お母さん、嬉しい!

敢えて“蛇足”を書いたのは、
コミュニケーションにおいての傾聴は、
随分、誤解されているのではないか、と思っているからです。

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