2011年12月1日木曜日

1,000円札




昨日、京都市北部のハローワークに就職支援セミナーで出講しました。


参加者の一人に40才代の女性がおられ、

お母さんも一緒にセミナーに参加されました。

なんでも30年近く勤続してきた会社が経営不振のため、

給料の遅配が続き辞めざるを得なくなった、とのことです。


たまたまハローワークに来たところ、

職員さんに勧められてセミナーに参加されました。

というのも、セミナー後に分かったことですが、

今日、履歴書を持って面接にいくことが急に決まったからなんです。


この日のセミナーは、就職活動の基本、及び実践コースです。


私も事情が分かってなかったのと、

例え分かっていてもその方のためにだけ、

翌日の面接に合わせてのセミナーはできません。


終了後、職員さんから事情を聞かされて大慌てで個人教授です。

と言っても、ハローワークは17時15分で閉庁ですから、

近くの喫茶店で履歴書と面接について、

その日のセミナーを土台して2時間近く対策を話し合いました。

親子で一生懸命に話を聞いてくれました。

帰りの電車ぎりぎり、喫茶店を後に駅に向かったのです。


ところが、後ろから必死の形相でお母さんが追いついてきて、

「少ないけど気持ちです」と握りしめた紙包みを渡そうとします。

「お母さん、生活も大変ですのに結構ですよ」

私とお母さん2、3回、押し問答があったのですが、

お母さんのお気持ちをいただきました。


電車に乗って開けてみると1,000円札が入っていました。


厳しい生活の中でのこの1,000円。

お母さん、あなたのお気持ちを無駄にしないよう、

これからも仕事を探される方の力になるよう頑張ります!

1,000円札を前に自然に湧き上がって来る感情でした。


この仕事をして本当に良かったです。

お母さん、ありがとうございました!


0 件のコメント: