2009年2月18日水曜日

[ちょっとティータイム]「嘘をつく女」はコミュニケーションの天才

「嘘をつく女」は相手を真っ直ぐ見つめる。

この点、男は甘い。
目がきょろきょろ定まらない。
嘘だとすぐ分かる。

「嘘をつく女」が嘘をつくときは、
自分の嘘が見抜かれていないか、
彼女の全身全霊、五感のすべてを動員して
相手を観察している。

男はさらに甘い。
真っ直ぐ見つめられるから、
嘘をつかれているとは思わない。

眉毛のかすかな動き、
眉間の一瞬のしわ、
眼光のかすかな変化、
目線の不自然な流れ、
口元のゆがみ、
無意識の首かしげ、
戸惑いの表情、
吐息、ため息、
誘い出したうなずき、相づち、

これら反応を読み解きながら嘘をつく。

彼女は嘘をつきながらしっかり傾聴しています。

誰に教わったのでもないのに
コミュニケーションの「話すことと聞くことの統一」が
嘘をつくことで実現できているのです。

「嘘をつく女」は生れながらにしてコミュニケーションの天才です。

彼女の唇から漏れくる嘘は芸術作品です。
私はバイオリンを奏でられているような錯覚にとらわれ、
妖しく幻想的な世界にうっとりしていました。

そんな私に「嘘をつく女」は満足げに微笑むのです。

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