メールコミュニケーション(続2)
時間・空間と「場」
メールでコミュニケーションする人同士が「実在の場」にいない。
これでは相手の顔色や態度、語調など分かりませんよね。
そう、同時に理解が深まっているのではありません。
わかるのは、意識的に考えられたメール文から、
相手の気持ちなどを想像することだけです。
想像するのは自分の感じ方や知識、経験など、
自分の側の作業であり、
相手は一切関知しません。
あなたの一人芝居、一人観賞なのです。
志望校に合格したあなたに友人からメールが来ました。
やったね (⌒▽⌒)/
あなたは、メール相手の友人も喜んでくれているな、と想像しました。
でも、その「場」に友人がいないのですから、
本当に喜んでいるかどうかはわかりませんよね。
あなたの想像です。
本当はあなたの合格に自信喪失して落ち込んでいるのかもしれないのです。
メールを受け取ったあなたが「友人も喜んでくれている」と想像しただけなのです。
逆に言うと、相手はあなたがそのように想像するだろうなと推測しながら、
自分の感情や気持ちを考えながらメール文を作るのです。
返事を出すあなたも相手との付合い経験、性格などを考えながら、
こう書いたら相手がこう受け取るだろうな、
常に相手の反応を想像しながら返信メールを作るでしょう。
ありがとう(^―^)
この友人ならきっと心の底から喜んでくれていると推測して、
友人が自分の返事を見たときの気持ちを想像して返事を書きました。
本当はこの返事により、ますます友人を落ち込ませたのかもしれないのです。
でも、実在の「場」にいないのですから、最後まで本当のことはわかりません。
あくまで、想像の世界の出来事です。
このコミュニケーションにより作られるラポールは、
仮想のラポールコミュニケーションなのです。
メールコミュニケーションは、時間・空間を共有せず、
現実を同時に確認しながらコミュニケーションが行われることはありません。
これがメールコミュニケーションの限界なのです。
この相手ならどう感じるだろう、
どう受け取るだろうと相手の反応を想像しながら、
言葉を仮想の「場」に投げ入れてコミュニケーションを行っているのです。
あなたの反応を推測、或いは想像された相手の言葉、メール文に対して、
あなたが相手の感情や気持ち、考えを推測、想像しながら、
今度は相手の反応を推測、想像しながらメール文を返す、
という推測や想像を前提に作業をするのです。
そこから得られる感情や気持ちは、
あなたの内からのみ醸し出されたものと言えるでしょう。
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